社員インタビュー

研究職 U・K

入社理由

 人のご縁があり、大学の研究職から転職で中途入社しましたが、工場見学に来るまでは、自分は研究開発に長く携わってきたが高分子系のバックグラウンドは持っていない、歓迎されないのでは?という不安がありました(不遜ながら、高分子系のバックグラウンドが無いことをことさら問題にされるようならこちらから願い下げ、とも思っていました・・・)。工場見学に来た際、「高分子系のバックグラウンドはありませんが・・・」と切り出すと研究所長は「大丈夫ですよ、我々だって(ゴムのことを)わかっていないんだから」と即答。研究開発者としての冷静さと謙虚さ、潔さを垣間見たように感じ、その瞬間に入社を決めました。 

担当業務

 私が所属している新技術研究室第2課の業務は、放熱シートの開発です。「放熱シート」という名前は聞きなれないかもしれませんが、実は我々の身の回りにある様々な電子機器の「中」で使われています。
 電子部品は程度の違いこそあれ必ず熱を発生します。熱くなった電子部品は本来の性能を発揮できなくなったり、寿命が短くなったり、場合によってはすぐに壊れてしまったりしますので、発生した熱はどこかに逃がす必要があります。ところが、小型化が進んだ今の電子部品は、内部で発生する熱量に対して熱を逃がすための表面が少なすぎるので、「自力で」熱を逃がしきることができません。そこで、電子部品自身が熱くなるのを防ぐためには、とにかくどこか別の部品に熱を逃がしましょう、ということになります。どこか別の部品、は例えばスマートフォンであればパッケージそのもの、パソコンであればフィンと呼ばれる金属製の剣山のような部品です。

 「放熱シート」は、熱が発生する電子部品と熱を逃がすための部品の間に挟んで使われます。電子部品で発生した熱を、熱を逃がすための部品に効率良く伝達することで、電子部品を熱トラブルから守ります。
 私自身は現在の業務に携わって3年目に入りましたが、2年程続いた基礎検討の段階を終え、今まさに製品化できるかどうかの「製品開発」のまっただ中にいます。


 研究職という仕事においては、やってみました~できませんでした~(終わり)、の研究モドキに陥らないことが重要です。
 新しいことをやるのですからほとんどは失敗するわけで、個々の失敗を有機的に関連付け、意味づけして積み上げていくのが研究開発です。しっかりと研究開発を進める為に、1日ごと、1週間ごと、1月ごと、定期的にその期間の仕事を総括して、その仕事が研究開発全体のどこに位置付けられるか、常に確認しながら次に進むことを意識しています。
 そうやって失敗を積み重ねていくと何かの拍子にパッと視界が開けて、今まで見えていなかったが見えてきます。それまで失敗にしか見えなかったものが実は当然の帰結であることがわかってくる。そうすると、それまで怖い顔をして黙っていた実験結果が一斉に「そうだ、そうだ」と自分に味方してきます。そうやって見えなかったものが見えるようになる、作れなかったものが作れるようになる、おもしろくないはずがありません。私自身の研究ももちろん重要ですが、若手研究員が自立して研究開発を進める力をつけられるよう、良いサポートができればと考えています。

プライベートでの過ごし方

現役の)趣味:将棋、ギター
登山、サッカー(フットサル)、飲み歩きなど、要体力の趣味は全滅・・・。

社員プロフィール

理学研究科化学専攻
2017年 中途入社
研究所新技術研究室第2課

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